今回は6/24以降のワクチン効果、即ち、オミクロン株B.A5に対するワクチンの効能について確認していく。
日本国内でコロナ患者のエビデンスを最も細かく継続的に発表しているのは静岡県浜松市である。よって、同市が発表するデータを使用してワクチン接種回数別の感染、発症、中等症、重症予防効果について分析する。
なお、データは「陽性判明時の症状」ということで中等症・重症予防率は参考程度にみていただければ幸い。
感染(陽性)予防効果の分析
感染(陽性)予防効果を計算するには「各年代別の人口」、「ワクチン接種状況」、「年代・接種回数別感染状況」の3つの要素が必要となる。式にすると、
感染率=年代・接種回数別感染者数/各年代の人口×ワクチン接種率
となる。浜松市は毎週金曜日、各年代の接種率、1週間の感染状況を下図のとおり発表している。よって、6/24~8/18までのそれぞれの年代の接種率を平均し、年代・接種別の感染者数を足せば必要な数値が導出できる。


上記の発表値を足した結果、以下のような結果となった。
(参考)

上記のそれぞれの値を感染率の式4に代入する。なお、各年代の人口は浜松市が4月に発表しているものを使用
感染率=年代・接種回数別感染者数/各年代の人口×ワクチン接種率
結果以下のとおり。

なお、4回目接種率については未公表であるため、8月19日時点で静岡県が公表している4回目接種率15.7%を参考に、4回目接種者の感染状況や年代別感染者数の比率などの補正を加え各年代の4回目接種率を以下のとおり推定した。
(参考:NHK都道府県別4回目接種率https://t.co/2QMsd1lKwO )

また、感染率(陽性率)のみでは分かりづらいので、厚労省のアドバイザリーボードでも用いられている有効率を表す式、
有効率=(未接種者の感染率-接種者の感染率)/未接種者の感染率
を使用して、それぞれの有効率を導出。
結果、以下のとおり。

国アドバイザリーボードの感染(陽性率)に比べると高齢者の数値はいいが、1回接種者の陽性率は全般的に高い(母数は少ない)。また、国と同様で2回目の多くの年代及び3回目の一部の年代で感染(陽性)率が逆転している。
母数は推定ではあるが、4回目接種者の予防効果が打ったばかりの割にとても低いのが特徴的だ。
★コロナワクチンにはB.A5に対する感染予防効果はなく、むしろ接種により感染しやすくなっているといえる。
発症・中等症・重症化率の分析
次に、発症、中等症、重症率について。
以下、年代・接種回数別の症状についてのデータである。
6月24日~8月18月までの39580件分を年代・接種回数・症状別に丁寧にまとめている。
(データは浜松市がまとめた1/1~8/4までのデータから1/1~6/2までの感染者数を引いたもの)

上記のデータを年代・接種回数の母数に応じた症状発生率を計算すると以下のとおりになった。
計算式は、
各症状率 = 各発生件数/各年代の各接種回数のPCR検査陽性者の母数

【発症率】
図中の「無症状率」はすなわち「PCR陽性時の発症率の裏返し」となる。無症状率が高ければ発症率が低くなるということ。
一番右の図の無症状率(赤枠)では発症率はマチマチ。
他方で青線部分を見ると4回目接種者の発症率が未接種~3回目接種者のそれを上回っているのが確認できる。
【中等症率】
図の右の左下が中等症発症率。
なんと、3回目接種者の中等症率が2回目及び未接種を上回りつつある。
また、青枠の4回目接種者の中等症率がやや低い傾向にある。
【重症率】
4月以降、重症者はほぼ出ていないが、唯一3回目接種した者のみ重症化している。
結論
★接種により未接種より感染しやすくなる。
★3回目接種による中等症予防効果の持続期間は「3カ月程度」(以降2回目より重症化しやすくなる)
★3~4カ月の時間の経過により、中等症になりやすくなる。
★4回目接種は気持ち効果があると推定されるもののほとんどないともいえる。また4回目接種により発症率が上昇する傾向にある。
接種回数が増加するほど、時間の経過により免疫不全になっていることが見て取れます。2回目の数値が1年程度経過しても回復していないところからも一生治らない可能性もありますね…。
(参考)厚労省:ワクチン2・3回目接種効果
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